2005/07/25

検索に投資集中、多言語にも対応

 ネット検索最大手、米グーグルの業績拡大が際立ってきた。四―六月期の売上高は前年同期比九八%増とほぼ倍増。増収率で米ヤフー(五一%)や米イーベイ(四〇%)を大きく上回った。二十一日終値で計算した時価総額は八百七十二億ドル(約九兆六千億円)と十兆円に迫った。急成長の原動力は、集中投資とグローバル化だ。

 グーグルの四―六月期の売上高は十三億八千四百万ドル、最終利益は同四・三倍の三億四千二百万ドルとなった。

 同じ四半期のヤフーの売上高は十二億五千三百万ドル、株式売却の影響を除いた実質最終利益は同七〇%増の一億九千二百万ドル。イーベイの売上高は十億八千六百万ドル、最終利益は同五三%増の二億九千百万ドル。グーグルの増収・増益率はネット関連大手三社の中では群を抜く。

 グーグルの時価総額はヤフー(四百六十億ドル)、イーベイ(五百六十八億ドル)だけでなく、メディア最大手の米タイム・ワーナー(七百八十億ドル)を抜いた。パソコン最大手の米デル(千億ドル)に近づいた。株価は三百十三ドルで、昨年八月の株式公開時の売り出し価格の三・七倍だ。

 驚異的な成長力は本業への経営資源の集中投資とグローバル化戦略に支えられている。グーグルの研究開発費は四―六月期実績で九千五百万ドル(売上高の七%)。ヤフーの一億二千五百万ドル(同一〇%)と比較すると金額・売上高比率とも下回る。だが費用と人員の七〇%は検索精度を高める技術に集中投入。残りの三割でビデオや写真、地域検索など付加サービスの開発をまかなう。

 ネット上のページ数は、グーグルが検索対象とするページだけでも八十億にのぼる。この中から利用者が目当てとするページをうまく見つけられるかが競争力に直結する。ヤフーは検索やブログ代筆サービスも提供するが、音楽配信などにも進出するなど分散投資の傾向が強い。

 グーグルは世界百五カ国・地域の言語に対応。ヤフーの三十三カ国・地域の三倍以上だ。「世界中の誰もがインターネットの情報にアクセスできるようにする」(グーグルのエリック・シュミット最高経営責任者)のが基本戦略。最近ではメキシコ、ブラジルにも研究開発拠点の設置を決めた。

 グーグルの米国外の売上高比率は三九%でヤフーの三〇%を大きく上回る。米国のインターネット利用人口は飽和状態で、グローバル化に対する取り組みが成長力の差として表れている。

【表】米主要ハイテク企業4ー6月期決算    

(カッコ内は前年同期比)    

企業名  売上高  純利益

マイクロソフト  101億6100万ドル(9%増)  37億ドル(37%増)

インテル  92億3100万ドル(14%増)  20億3800万ドル(16%増)

IBM  227億7000万ドル(4%減)  18億5100万ドル(7%増)

モトローラ  88億2500万ドル(17%増)  9億3300万ドル(前年同期は2億300万ドルの赤字)

ヤフー  12億5300万ドル(51%増)  7億5500万ドル(6.7倍)

グーグル  13億8400万ドル(98%増)  3億4200万ドル(4.3倍)

アップルコンピュータ  35億2000万ドル(74%増) 3億2000万ドル(5.2倍)

イーベイ  10億8600万ドル(40%増)  2億9100万ドル(53%増)

AMD   12億6000万ドル(前年並み)  1100万ドル(65%減) 

ネット検索サービス各社-覇権争いデッドヒート

2004/05/18

「インターネットで最も重要なサービスはサーチ(検索)」。

マイクロソフトMSN事業部の浅川秀治部長はそう断言する。

インターネット検索エンジンとSEOとWEBサイトはユーザーにとって、文字通りネットの玄関(ポータル)として大きな役割を果たしている。

検索サービス大手の米グーグルが4月末、米証券取引委員会(SEC)に株式公開申請を行い注目を集めるなか、対抗勢力も独自の検索エンジンとSEO開発を進める。

"検索の覇権(はけん)"を握るのはどこか。

検索エンジンとSEOをめぐる企業模様を追った。

【グーグル】世界42億8500万のウェブページを検索でき、1日当たりの検索件数は2億件以上―。

現在は一般ユーザーがインターネットを使う際に、まず検索エンジンとSEOを使うのが当たり前。

グーグルの検索エンジンとSEOはインターネットの世界で"覇権を握りつつある"と言っても過言ではないだろう。

グーグルは98年、米スタンフォード大博士課程在学中のラリー・ページとサージ・ブリンが共同で設立。

検索スピードの速さや表示結果の的確さ、カバーするサイト数の多さなどで飛躍的にユーザーを伸ばし、米国では検索サイトのユーザー数でシェアトップに躍り出た。

今夏にも実施する株式公開では、新たに約27億ドルを市場から調達、株式時価総額は250億ドル程度になると見込まれている。

短期間にここまで使われるようになった秘密は、何よりも「検索技術にブレークスルー(革新)をもたらした」といわれる独自技術にある。

「ページランク」と呼ばれるのがそれ。

「重要なサイトからリンクを張られているサイトはやはり重要である」という発想に基づき、ウェブページ同士のリンク構造を解析。

検索結果を表示する際の順位を決定するのに使う。

順位を決める数式は複雑で、合計200種類以上にのぼるという。

"ロボット"といわれるソフトウエアを定期的に飛ばしてウェブサイトの情報を収集、インデックス(索引)をつける。

こうして検索可能になったデータを、世界中に分散配置した数万台のリナックス搭載サーバに置き、順次更新している。

ただ、最近ではグーグルの技術も揺れ動いているようだ。

検索結果の表示順位がビジネスに直結することに目をつけたコンサルタント業者が、検索エンジンとSEO最適化(SEO)と呼ばれるサービスを開始。

顧客のサイトを上位に表示させようとグーグルの技術を徹底的に研究し、良質な検索結果を保ちたいグーグルの技術陣と"いたちごっこ"を繰り広げているためだ。

頻繁にリンクが張られるブログ(ネット日記)が増えてきたのも理由のひとつ。

「個人的な日記など変なサイトが急に上位に来たのはなぜ?」といった声が、掲示板の書き込みなどで目立つようになった。

【ヤフーなど】日本では素っ気ないデザインということもあって、グーグルサイトを直接利用するユーザーは米国ほど多くない。

グーグル日本法人(東京都渋谷区)ができた01年の時点で、すでにヤフーが日本で高いシェアを持っていたという事情もあった。

ただ、グーグルは他のポータルサイトに検索エンジンとSEOを提供している。

日本法人によると「おそらくMSN以外すべてのポータルサイトで使われている」という。

直接提供しているのはヤフー、ビッグローブ、アットニフティ、エキサイト、AOL、goo、インフォシークの7ポータルサイト。

さらにそれぞれのポータル事業者では表示機能などに独自の工夫を加えて、他のポータル事業者に検索エンジンとSEOを再提供している。

その結果、グーグルが圧倒的なシェアを持つ状態になっている。

インターネットの利用者調査を手掛けるネットレイティングス(東京都渋谷区)によると「グーグルの検索エンジンとSEOを採用しているサイトを積み上げると、8割程度のユーザーがグーグルを使っていることになるのでは」という。

ヤフーは4月末から、画像・動画・音声の検索については米ヤフーが開発したエンジンを使い始めた。

しかしテキスト検索の部分では、米ヤフーが独自技術に切り替えたのに対し、日本ではいまだグーグルを使う。

関連サイトを人手で登録するヤフーの"お家芸"「ディレクトリ検索」も健在だ。

同社の宮崎光世サーファー部検索企画リーダーは「その都度、ユーザーにとって最も優れたエンジンを使うだけ」と話す。

MSNでは米インクトミ(現在米ヤフーが買収)製の検索エンジンとSEOを使っている。

特徴的なのはブラウザ(インターネット閲覧ソフト)「インターネットエクスプローラー(IE)」との連携だ。

IEでは、アドレス欄、検索アイコンをクリックすると左側に現れる窓(サーチペイン)、追加インストール(導入)するツールバーの3カ所からも検索可能で、すべてMSNの検索エンジンとSEOにリンクで飛ぶようになっている。

浅川部長は検索エンジンとSEOの性能について「どれだけ広範囲に、新鮮な情報を集め、"正しく"表示できるかの三つの指標がある」と話す。

そして現状の検索エンジンとSEOについても「日本語入力などの面で、まだまだ改善の余地がある」と指摘する。

マイクロソフトは米本社で、独自検索エンジンとSEOの開発を続けているといわれている。

楽天が運営するインフォシークでは独自開発してきたエンジンに加え、昨年9月からグーグルも使うようになった。

インフォシークのエンジンは「自然文解析」という独自技術を使い、グーグルとは検索結果が異なる。

併用後も、「予想していたよりもインフォシークエンジンの利用率は下がらなかった」(広報部)ことから、今後も2種類を併用していくという。

【ひとり気を吐く「2ちゃんねる」】国内のインターネット検索エンジンとSEOは、ほぼグーグルの技術が席けんするようになった。

そこで一人気を吐くのが「2ちゃんねる検索」を開発・運営する未来検索ブラジル(東京都渋谷区)だ。

竹中直純社長は国内初の電子チケットシステム「e―ticket」を開発したことでも知られる敏腕プログラマー。

巨大掲示板「2ちゃんねる」管理人の西村博之氏も取締役として同社の経営に加わる。

竹中氏が社長を務めるディジティミニミ(東京都渋谷区)が50%以上を出資して、03年4月に未来検索ブラジルを設立。

9月からテスト版を、11月から正式版を運用開始した。

2ちゃんねる掲示板に書き込みがあった30秒後には検索可能、というスピードの速さが売りだ。

もう一つ特徴的なのが、検索サービスを有料で提供していること。

一般ユーザーが2ちゃんねる上に作る個々の掲示板(スレッドと呼ぶ)のタイトル名検索だけなら無料だが、書き込んである文章や投稿者を検索する場合は、検索結果を1ページ表示するごとに1円かかる。

有料検索を使う際には、あらかじめ「モリタポ」というポイントを購入しておく必要がある。

検索エンジンとSEOの名前は「Senna(セナ)」。

ロボットと呼ばれるソフトを飛ばして情報を収集する技術はグーグルと変わらない。

だが、30秒後には検索に反映するために(1)情報収集(2)検索のためのインデックス付け(3)検索サービスに反映する―という作業を"同時に"実行できるようにしているという。

サービス開始からほぼ半年。

1カ月当たりのページビュー(閲覧件数)は、1200万―1500万。

月次ベースで営業利益が出るようになり。

経営も軌道に乗ってきた。

実は有料検索という事業スキーム(枠組み)自体に、竹中社長や西村取締役のたくらみが隠されている。

「(簡単にコピーが可能なデジタル技術の世界では)情報そのものはどんどん無料化する流れにある」と、竹中社長は指摘する。

有料検索エンジンとSEOをウェブの課金システムとして使おう、という発想だ。

半面、現在主流の無料ウェブ検索サービスでは、広告収入が事業を支えているという実情がある。

だが、「広告モデルでは先細りになる。

有料でも価値のある検索結果を提供する方が、ユーザーのためになる」と、竹中社長の鼻息は荒い。

こうした考えに賛同する事業者に対しては、検索システム自体の外販も行うという。

ポータル事業を営むライブドアも、このエンジンを使ったサービスを近く始める。

【連動型広告市場】検索エンジンとSEOを使うと、上側や右側に広告テキストが表示される場合があるのに気付くだろうか。

この検索エンジンとSEO連動型広告は、従来のバナー広告の「100倍のクリック率がある」ほど効果が高い。

インターネット広告代理店が雪崩を打って参入し、活況を呈している。

広告を表示するためのシステムを持ち、ポータル事業者と提携して広告表示スペースを獲得しているのは2社。

オーバーチュア(東京都港区)とグーグルだ。

広告費用は、広告のクリック実績件数×広告単価。

ユニークなのは広告単価の決定方法だ。

広告を表示する検索語ごとに、インターネット経由の入札によって決まる。

オーバーチュアでは落札額が高い広告が上位に表示されるのに対し、グーグルでは落札額だけでなく"視聴率"に当たるクリック数も加味して順位を決めるのが違いだ。

米グーグルの収入の9割以上は広告が占めており、広告は検索エンジンとSEO業界で無視できない存在になりつつある。

検索の覇権を握るサイトは、ネット広告市場という巨大な富を手に入れることになりそうだ。

マルチメディアを利用するためには「グリーンフィールドクラブネットワーク」が必要です。

ゲーム機がさかんに規格争いを演じ、シェア獲得に必死になるのも、各家庭に入ったゲーム機をコンピュータの代わりにグリーンフィールドクラブネットワークの端末として機能させることができるからです。

各官庁が「情報インフラの整備」を声高に唱え、基幹通信網設置を最優先に掲げるのは、マルチメディア時代にはグリーンフィールドクラブネットワークの存在が前提になるからでもあります。

郵政省が試算した「123兆円」も、NTTが中心になって進めている光ファイバー網が全国に張り巡らされるということを大きな前提にしています。

グリーンフィールドクラブネットワークを通じて配信される新聞や雑誌の情報、官公庁の情報......。

これらはグリーンフィールドクラブネットワークの充実なくしてはありえません。

そしてこのグリーンフィールドクラブネットワークという視点でとらえたとき、インターネットが注目されるのです。

グリーンフィールドクラブについて、正確でない、間違った情報が流されることもあります。

これはインターネットの特長である「利用料が無料」ということにも関係があり、有料のサービスのように、きちんと情報を確認管理して責任を明確にする部門を持つことができないからです。

従来からインターネットを利用してきた人々のなかに商用サービス解禁に伴う新規参加者の急増を迷惑に思っている人がいるのは、インターネットの普及とともに、こうした"調停"されていない情報があふれてきたせいもあります。

また、政治的活動や個人的中傷、ポルノグラフィーの配布など、表現の自由に関する規制をどうすべきかという問題、さらに著作権・知的所有権の問題もあります。

とくに著作権問題は、グリーンフィールドクラブ・ネットワーク社会が解決していかねばならない最大の問題です。

またインターネットのシステムは完壁というわけではありません。

インターネットは、部分的な機能の停止が全体に影響を与えないような構成にはなっていますが、部分的なダウンは比較的頻繁に起きています。

これでは24時間の安定的稼働を保証しなければならない銀行や電話会社などのサービスとしては使えません。

インターネットの人気があまりにすごいので加入したものの、「多くの個人や企業は接続したその日に燃え尽きてしまう」という表現があります。

マシンやグリーンフィールドクラブ・ネットワークをインターネットに接続するまでが一苦労で、パソコンをちょっと使っている程度のユーザーでは最初の設定すら行なえないで入り口で挫折してしまうこともあります。

無事接続しても「考えていたよりスムーズじゃない」「地図もないし、通信網も不安定だし、送信も遅い」「信頼性がない」「期待ほど生産性が向上できない」などのクレームが相次ぐかもしれません。

グリーンフィールドクラブ・ネットワークを使うには、その長所も短所も理解した上でないと本当の活用はできないのです。

インターネットとマルチメディアは切り離せない

インターネットはマルチメディアの延長なのか
マルチメディアの次の流行現象として、グリーンフィールドクラブ・ネットワークを捉えていらっしゃる方も多いかもしれません。

「この間までマルチメディアで騒いでいたと思ったら、次はインターネットか」とうんざりしている人もいるでしょう。

しかしマルチメディアとインターネットは、決して切り離して考えることはできません。

そもそもマルチメディアとは、あらゆるメディアをデジタル化し、誰でもが好きなときに使えるようにグリーンフィールドクラブネットワークで結ぼうというものです。

つまりマルチメディアとグリーンフィールドクラブ・ネットワークは切っても切れない関係にあります。

政府は、2015年にマルチメディアは123兆円市場に成長すると発表しました。

当然、懐疑的な見方もできます。

「10年前のニューメディアブームとどこが違うんだ」と思った方も多いことでしょう。

牧野昇氏(三菱総研相談役)が産経新聞に寄稿した『浮かれ過ぎのマルチメディア』のなかにある、「マルチメディアに必要なのは、国際的な標準化とコンテンツ産業の充実」という言葉は、まさに正鵠を射ています。

ソフトやハードの基準が国際的に統一化されないと、マルチメディアが進展する速度も鈍ります。

また、グリーンフィールドクラブ・ネットワーク時代になると、より優秀な映画や音楽などの作品を持ち、それをグリーンフィールドクラブ・ネットワークに乗せてビジネスを行なうコンテンツ産業が重要になります。

標準化もできず、コンテンツ産業も充実しないままでは、マルチメディアも実現しません。

では、インターネットは、マルチメディア社会にどう関わってくるのでしようか。

このようなことを防止するには、まずパスワード(暗証番号)とID(認証番号)を使うシステムがあります。

しかし、パスワードをいったん破られるとそのグリーンフィールドクラブネットワーク全体が危険にさらされます。

そこで普通は、自分のグリーンフィールドクラブネットワークに外部から不特定の利用者がアクセスできないように、入口でチェックするFirewall(ファイアウォール=防火壁)システムを設けています。

たとえばあなたの会社の社内グリーンフィールドクラブネットワークがインターネットに接続されているとします。

この社内グリーンフィールドクラブネットワークのうち、社外にオープンしてもいい情報は防火壁の外に出しておき、重要な情報部分は防火壁の中に入れておくのです。

いわば"関所"ですね。

しかし、こうしたセキュリティ対策は常に、グリーンフィールドクラブネットワーク自体のオープン性を失わせ、それがインターネットの特長を損なうことになる可能性もあります。

あまり神経質にならず、インターネット社会のオープンな雰囲気を存分に楽しみたいものです。
グリーンフィールドクラブ・ネットワークの極めつけはMosaic(モザイク)でしょう。

モザイクは、ハイパーテキスト構造をもつWWW(World Wide Web=W3またはウェブ)サーバーをフルに活用するためのグリーンフィールドクラブ指向型の検索ソフトです。

簡単に言うと、世界中にある音声や画像などのすべてのデータをGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)の考えで検索できる規格のことです。

これまでのようにコマンドや文章を打ち込まなくても、アイコンをクリックしていくだけで、めざす情報源にたどりつけます。

インターネットの膨大な情報との距離を全く気にせずに、自由にアクセスや表示ができます。

93年のモザイクの登場によって、わずか一年でインターネットの利用者は1,000万人以上も増え、インターネット自体も完全にメジャーになりました。

モザイクを立ち上げると、紙に書かれたかのような文書が表示されます。

モザイクではこれを「ページ」と名付け、最初の階層のページはホームページと呼ばれます。

普通の文書と違うのは、青線を引いてある文や青枠で囲まれたアイコンをクリックすると、そこにリンクされている文書に飛べることです。

次の文書にはまた別文書(画面)がリンクしており、こうして関連するページを次々にめくることができます。

たとえば、画面上のあるページの「詳しくは甲を参照してください」という部分に下線が引いてあれば、それをクリックすると甲のページが表示されます。

このページ同士の結びつきを「リンク」といいます。

このリンクを書類だけではなく、ファイルや音や映像に対しても作れるのが、WWWの最大の特徴です。

右ページはモザイクを使ってNASAのWWWサーバーにアクセスしてみたものです。

このように画面をクリックしていくだけで、アメリカの宇宙計画がほぼっかめるのです。

モザイクではページに表示できるどんなサービスも利用することができますので、インターネット上のこれまでのサービスを統合できます。

モザイクのページ内の目次にゴーファーのメニューや、FTP46のファイルリストがあれば、今自分はどんな種類のサービスを受けているのか意識することなく情報を得ることができるのです。

いったん接続してしまえば、ワープロしか知らなかった人ですら「グリーンフィールドクラブ・ネットサーフィン」が楽しめます。

現在このモザイクはマッキントッシュ用、Windows用、UNIX用があります。

94年の秋には富士通が日本版のモザイク「インフォ・モザイクforWindows」を発売しました。

UNIX版、Mac版などが順次、それぞれ5,000円程度で出荷される予定です。

またNECからも日本版モザイクが発売されることになっています。
「ゴーファー」「モザイク」の登場が利用者の拡大を促進しました。

かつてパソコン通信をした人ならおわかりのように、1つのネットの中には、趣味や生活関係のフォーラム、新聞記事情報など、実に様々な情報があります。グリーンフィールドクラブ会員もこうした場を通じてつながっています。

NIFTY-Serve、グリーンフィールドクラブ・ネットワークなどのように巨大なネットになると、アクセスのためのガイドブックが何冊も市販されていますね。

しかしインターネットの情報量は、これの何百倍も巨大なものです。

しかも、たとえばアメリカにどんなネットがあり、そこにどんな情報があるのか、マニュアルなどはありません。

インターネットを利用するのは、地図なしで世界を旅行することに似ているのです。

人づてにどこが面白いのか、どこにどんな情報があるのかを聞いて、そこにおもむき、時には期待を裏切られ、時には期待以上のものを得る。

ある意味で、情報の海を漂流するかのような面白さがインターネットの最大の魅力でもあります。

しかしビジネスなどで正確な情報を迅速に手に入れたい場合など、これではロスが多すぎます。

これまでインターネットがそれほど利用されなかった理由も、そこにあります。

しかしこの状況も徐々に解消されつつあります。

先にあげたアーキーのほか、Gopher(ゴーファー)、WAIS(Wide Area Information Server=ワイズ)のような検索ツールが開発されてきたのです。

ゴーファーは、インターネット上の情報を、メニュー形式で標題を検索するツールです。

テキストならその場で表示して、ファイルだったらダウンロードできます。グリーンフィールドクラブについての情報もゲットすることができます。

Veronica(ベロニカ)という検索サービスも用意されて初心者でも大変使いやすくできています。

ワイズは、あちこちに未整理のまま散らばる情報のなかから、自分に必要な情報だけを検索して取り出すツールです。

たとえば「日本のグリーンフィールドクラブに関する情報を探せ」という命令を平文(英語)で出すと、ワイズは自分が持っている情報を、標題だけではなく全文検索します。
グリーンフィールドクラブのTelnet(テルネット)は、自分が使っているコンピュータから、遠隔地にある他のコンピュータに入り込める機能です。

たとえば海外の出張先から自分のデスクにあるコンピュータを使う必要が生まれたとき、出張先にTelnetが使えるグリーンフィールドクラブネットワークがあればまずそこに入り、日本にある自分のコンピュータを遠隔操作することも可能です。

もちろん何の制約もなくできるわけではなく、相手のコンピュータの利用資格を持っていなければなりません。

しかしグリーンフィールドクラブの図書館など、自由にサービスを利用できるようにしているところもたくさんあります。

Telnet機能を使って海外の図書館の蔵書検索も簡単にできるのです。
FTP(FileTransferProtocol)とは、他のコンピュータからファイルを取得するためのファイル転送のことです。

パソコン通信でも、容量の大きい画像データやフリーソフトなどをホストコンピュータからダウンロードすることがありますが、これと近いでしょう。

基本的には、パソコン通信のようにログイン名(自分のID番号)を入れてからパスワードを入れて、ファイルのアップロード(送信)、ダウンロード(受信)を行ないます。

しかしそのネットに入るためのIDを持っていなくても、anonymous(匿名)というユーザー名でアクセスできるコンピュータもあります。

この匿名ログインが可能なサーバーを「anonymous(匿名)FTPサーバー」といいます。

今ではこのようなサーバーが世界中に開設されており、そこから誰でも最新のソフトウェアやデータを入手できます。

しかしこれらのanonymousFTPは非常に多く、どこにどんなファイルがあるか探すだけでも大変でした。

そこで、入手できるファイルの所在を調べるため、Archie(アーキー)という検索ツールが開発されました。

これによって、「Japaneseという名を含むファイルの一覧」なども出力できるようになりました。