検索に投資集中、多言語にも対応
ネット検索最大手、米グーグルの業績拡大が際立ってきた。四―六月期の売上高は前年同期比九八%増とほぼ倍増。増収率で米ヤフー(五一%)や米イーベイ(四〇%)を大きく上回った。二十一日終値で計算した時価総額は八百七十二億ドル(約九兆六千億円)と十兆円に迫った。急成長の原動力は、集中投資とグローバル化だ。
グーグルの四―六月期の売上高は十三億八千四百万ドル、最終利益は同四・三倍の三億四千二百万ドルとなった。
同じ四半期のヤフーの売上高は十二億五千三百万ドル、株式売却の影響を除いた実質最終利益は同七〇%増の一億九千二百万ドル。イーベイの売上高は十億八千六百万ドル、最終利益は同五三%増の二億九千百万ドル。グーグルの増収・増益率はネット関連大手三社の中では群を抜く。
グーグルの時価総額はヤフー(四百六十億ドル)、イーベイ(五百六十八億ドル)だけでなく、メディア最大手の米タイム・ワーナー(七百八十億ドル)を抜いた。パソコン最大手の米デル(千億ドル)に近づいた。株価は三百十三ドルで、昨年八月の株式公開時の売り出し価格の三・七倍だ。
驚異的な成長力は本業への経営資源の集中投資とグローバル化戦略に支えられている。グーグルの研究開発費は四―六月期実績で九千五百万ドル(売上高の七%)。ヤフーの一億二千五百万ドル(同一〇%)と比較すると金額・売上高比率とも下回る。だが費用と人員の七〇%は検索精度を高める技術に集中投入。残りの三割でビデオや写真、地域検索など付加サービスの開発をまかなう。
ネット上のページ数は、グーグルが検索対象とするページだけでも八十億にのぼる。この中から利用者が目当てとするページをうまく見つけられるかが競争力に直結する。ヤフーは検索やブログ代筆サービスも提供するが、音楽配信などにも進出するなど分散投資の傾向が強い。
グーグルは世界百五カ国・地域の言語に対応。ヤフーの三十三カ国・地域の三倍以上だ。「世界中の誰もがインターネットの情報にアクセスできるようにする」(グーグルのエリック・シュミット最高経営責任者)のが基本戦略。最近ではメキシコ、ブラジルにも研究開発拠点の設置を決めた。
グーグルの米国外の売上高比率は三九%でヤフーの三〇%を大きく上回る。米国のインターネット利用人口は飽和状態で、グローバル化に対する取り組みが成長力の差として表れている。
【表】米主要ハイテク企業4ー6月期決算
(カッコ内は前年同期比)
企業名 売上高 純利益
マイクロソフト 101億6100万ドル(9%増) 37億ドル(37%増)
インテル 92億3100万ドル(14%増) 20億3800万ドル(16%増)
IBM 227億7000万ドル(4%減) 18億5100万ドル(7%増)
モトローラ 88億2500万ドル(17%増) 9億3300万ドル(前年同期は2億300万ドルの赤字)
ヤフー 12億5300万ドル(51%増) 7億5500万ドル(6.7倍)
グーグル 13億8400万ドル(98%増) 3億4200万ドル(4.3倍)
アップルコンピュータ 35億2000万ドル(74%増) 3億2000万ドル(5.2倍)
イーベイ 10億8600万ドル(40%増) 2億9100万ドル(53%増)
AMD 12億6000万ドル(前年並み) 1100万ドル(65%減)